初めて経験する真夏のレースで完走できるか不安でしたが、ここ半年、月間平均400kmを走って暑さ対策をしてきたので、なんとか冬のベストタイムから11分落ちで済みました。
というか42kmがあっという間に終わってしまい、木更津~勝浦68kmより全然楽でした。変態ランナーな仲間たちに鍛えられたおかげです。
出場のきっかけ
毎年のように北海道を訪れており、ランニングを始めてからは北の大地での旅ランも楽しんでいます。昨年は同時期の滝川コスモスマラソンでハーフを走って気温に慣れたので、今年こそ憧れの北海道マラソンで完走を目指します。そして大会前後は道内各地で走り、景色と温泉と食事を楽しむつもりです。
…エントリー時に抱負を書く欄があったので、上記のようなことを書きました。
ずっと憧れてはいたのですが、私は暑さに弱いので、真夏のレースはハードルが高くこれまで出場を見送っていました。
しかし、アクアラインと佐倉で暑さにやられて大失速してしまったため、記録を伸ばすために暑さ対策は避けて通れないと考えるようになりました。そこで北海道マラソン完走に向けた練習をすることで弱点を克服したかった、というのが出場を決意した最大の理由です。
北海道マラソンに向けた練習
フルマラソンは何度も完走していますが、私は暑さに弱く、真夏は10kmも走ったらバテてしまうので、完走できるか不安でした。
そのため、ここ半年は北海道マラソンを完走することだけを目指し、スピードよりもスタミナを重視して練習をしてきました。
具体的には、これまで通年4分15秒/km程度で練習していて、夏は距離を落としていましたが、今年の夏はペースを4分40秒~5分/km程度に落として距離は維持し、20~30kmのペース走を何度もやりました。
レース前日
前日までに事前受付を済ませないといけないため、前々日の8月28日に北海道入りし、前日の朝は室蘭で調整をしました。
(旅ランとして室蘭のページに詳しくは記載します。)
29日の夕方に札幌入りし、大通公園の会場で参加通知とゼッケンを引き換えます。
大通公園の前日受付会場でナンバーカード引換。 |
そのまま道庁から札幌駅周辺や北海道大学のあたりを散歩します。
夕食を求めて夜の札幌をさまよう…。 |
前日のカーボローディングに札幌でスパカツが食べられる店を調べていて、北15条まで歩いたのですが、残念ながら臨時休業。
スパカツを食べようとロンズキッチンまで歩いてきたのに、休み! |
仕方なく夜の札幌をさまよい、偶然たどり着いた二郎系のラーメン屋「山次郎」でニンニクを補給しました。
がっつりいけそうなラーメン屋を発見! |
北13条の山次郎でニンニク補給。これで翌日のスタミナはバッチリ!? |
翌日レースなので、帰りは地下鉄ですすきのに帰る。 |
レース当日
大通公園近くのホテルに泊まっていたため、余裕を持って朝食を済まします。
朝食のバイキングでジンギスカンとカレー。サラダは即効性がなさそうなので少な目。 |
スタート1時間ほど前の8時頃に会場入りしました。
2015年8月30日、北海道札幌市。いよいよ今日は北海道マラソンの日だ! |
大通公園はランナーであふれている。 |
今回はCブロックになりました。北海道マラソンは陸連登録に関係なく、エントリー時に申告した自己ベストタイム順でスタートになります。Aブロックは僅かしかなく、ほぼエリート専用。実質的に市民ランナーはBブロック以降になります。3時間10分以降はCブロックになるため、自己ベストがグロス3時間10分28秒の私は僅差でBブロックに行けませんでした。
A・Bブロックは車いすレースがスタートしてから整列で、しかもベストタイム10分刻みで整列場所が決められているため、スタート直前に余裕を持って並べるようです。今シーズンのレースではグロスでも3時間1桁を記録して、来年はBブロックへ行きたいと思いました。…来年も出るのでしょうか?
Cブロックのスタート地点に整列。来年はBブロックにいきたい…! |
会場では大会テーマソングでドリカムの「さぁ鐘を鳴らせ」が大音量で流れ続けており、この曲を聴くと北海道マラソンと大通公園の風景を思い出します。真夏のキツさと、マラソンに挑む力強さ、北の大地、時計台の街の雰囲気によく合っている選曲です。というか帰ってから買いました。
スタート時点の9時の気温は19℃、12時頃の気温も23℃と、真夏の首都圏よりはかなり涼しくなりましたが、それでもマラソンには暑く、昨年は同じ気温のアクアラインで後半大失速をした経験があるため、今回はサブ3.5を目標に慎重なペースで走ることにしました。
高橋はるみ北海道知事の挨拶が終わると、いよいよ9時にスタートです。
レース展開
0km~5km 24:31 (4:54/km)
Cブロックの先頭に並んでいたため、スタートロスは29秒。
大通公園をスタートし、すぐにすすきのの歓楽街を抜けて走ります。幅員は広いので渋滞はそれほど感じません。
序盤は慎重なペースで進んでいきます。まわりのランナーが抜かしていっても気にしません。
5km手前でやや登りがありますが、ペースを抑えていたので影響を感じるほどではありませんでした。
5km~10km 23:47 (4:45/km)
脱水と体温上昇を警戒し、給水所では毎回十分に飲みました。
途中、創成川トンネルで地下を1kmほど走ります。地下なら涼しいのではと期待したのですが、蒸し暑く、地上よりも不快でした。
10km~15km 23:59 (4:48/km)
札幌駅前のビル街を走っていると、いま遠い北の大地に来て特別なレースを走っているんだと実感してきました。この日のために半年頑張ってきた成果を発揮するときです。
朝食のバイキングでジンギスカンを食べすぎてしまったのですが、吐く息からジンギスカンを感じながら走りました…。
15km~20km 23:48 (4:46/km)
次第に札幌郊外になり、日本海に向かって走っていきます。
20km手前からは、北海道マラソンの名物と言われている往復13kmの直線道路「新川通」に入ります。精神力を試される難所だそうです。
20km~25km 23:06 (4:37/km)
ハーフ通過は1時間41分11秒。
序盤から給水所では十分に補給し、ペースも抑えて走ったため、ハーフ通過時点で佐倉マラソンよりも余裕がありました。
過去のハーフ通過時点での感覚と比較しても完走できることを確信し、後半ハーフは若干ペースアップしました。
23kmあたりで手稲高校の生徒が吹奏楽で応援してくれていました。運動会のようなお祭り気分で盛り上がり、走る力になります。大規模な大会はこういうところが好きです。
25km~30km 23:30 (4:42/km)
25km過ぎで折り返し、新川通の復路に入ります。
同時に向かい風を感じ、20~25kmでペースが急に上がったのは追い風のおかげだったと気づきました。 風に逆らって前傾姿勢で進んでいきます。
札幌駅周辺のビル群が遠くに小さく見えますが、あと17kmと考えれば大した距離ではありません。
真夏のレースだけあり、後半は2.5kmごとに給水所があるので、1か所で飲み終わってもすぐ次があり、常に水分補給を続けて走るような感覚でだいぶ楽に走れました。
30km~35km 23:35 (4:43/km)
32kmで新川通が終わり、来た道を戻っていきます。
普段から印旛沼で長距離の往復を経験していたおかげか、あまり難所とは感じず、むしろ新川通だけでもう13kmも距離を稼げたと感じました。
もともと真夏のマラソンでは記録は狙っていないので、30km以降疲れてきてもフォームを安定させる練習を心がけて走っていきました。
35km~40km 23:30 (4:42/km)
35km以降は周りがどんどん失速していくので、この区間は一定ペースを維持して走るだけでごぼう抜きができます。
38kmで北海道大学のキャンパスに入ります。緑のトンネルで日差しを防いでくれ、若干涼しく感じました。
40km~42.195km 9:48 (4:28/km)
40km通過はグロスタイムで3時間10分15秒。
記録は気にしないことにしていたはずですが、グロスで3時間20分を切れるかもしれないと思い、スパートをかけます。
北海道大学を抜けると、札幌駅、道庁、大通公園と見どころが続くので、気分的には辛さを忘れてすぐに通り過ぎられる区間です。
応援の人数も増えてきて気分が高まります。道路標識の北○条を見ると、大通まであとどれくらいかわかるのも精神的に楽でした。
大通を右折するとゴールが見え、サングラスを外しました。
時計は3時間19分台。20分までにゴールしたいと思い、ゴールへ向かって全力で走ります。
ゴールへ向かって。 ©allsports.jp |
ゴール後
グロスタイム 3:20:03
ネットタイム 3:19:34 (4:44/km)
前半ハーフ 1:41:11 (4:48/km)
後半ハーフ 1:38:23 (4:40/km)
時計の表示は3時間20分00秒でゴールを踏んだと思ったのですが、完走証を見ると3秒ほど及びませんでした。
3時間20分00秒でゴールを踏んだと思ったが…。 ©allsports.jp |
今回は自己ベストを狙うレースではないのでいいですが、秋以降の勝負レースではサブ3を数秒差で逃して悔しい思いをしないように、2時間59分55秒を目標にしようと思いました。
GPSのログ。創成川トンネルを走るせいか、実際の距離とずれが大きい。 |
とはいえ、レース展開としては、スタート後の5kmと、直線の追い風だった20~25kmを除きほぼイーブンペースで、後半ハーフのほうが若干早いネガティブスプリット。理想のペース配分で快走できました。
ラップタイム一覧。少しずつペースを上げながらネガティブスプリット。 |
よく夏のマラソンは10分程度遅くなると言われているので、冬の自己ベストと比較しても今回は理想のタイムだったと思います。また、北海道の気候は気温の数字以上に本州よりも快適に感じ、走りやすかったです。
完走メダルをかけてもらい、半年間徹底的に暑さ対策をしてきた成果を実感しました。
近くのコンビニでソフトカツゲンを買い、大通公園で飲みました。フルマラソン完走後に飲むカツゲンのうまさは最高です。
大通公園でテレビ塔を見ながらカツゲン。普段飲むと甘ったるいが、走った後は最高にうまい。 |
真夏のマラソンはもっとダメージが大きいかと思っていましたが、意外と疲れず筋肉痛もほとんどなかったため、そのまま札幌市内を歩き回りました。
あまり疲れなかったので、再び夜の札幌を散歩。 |
レースの余韻で札幌スポーツ館を物色。フルマラソンを走ってもほとんど筋肉痛が残らなくなったので、今の足なら耐えられると思ってサブ3向けのレース用シューズを購入しました。
店員さんも道マラに出場していて、ゴールしてから働いているそうです。今年はかなり涼しく、今年完走しなければいつ完走するんだというくらいで、例年なら新川通の日差しはもっときつく体力を奪われるとのことでした。運が良かったですが、例年並みの暑さでも完走できるように鍛えていきたいです。
札幌スポーツ館でNike Air Zoom Streak 5を購入。後に信じられないタイムを叩き出してくれる相棒になった…。 |
レースを振り返って
暑さに弱い自分が、冬のベストタイムから10分落ちで真夏のマラソンを走れたことに達成感を感じます。
苦手な夏のマラソンを乗り切れたことは大きな自信になりました。今後は秋冬のマラソンでサブ3へ近づくために、スピードとスタミナを融合させていきたいと思います。
また、大都市を走るフルマラソンは初めてですが、仙台ハーフと同様にたくさんの応援を受けながら楽しく走れました。東京マラソンもこんな感じなのでしょうか…。
慎重に走ったこともあり、疲労や筋肉痛はほとんど残りませんでした。北海道マラソンで42kmを走るよりも、真夏のクロカン15kmのほうがはるかに辛かったです…。
そんな訳で、体力が余ってるので今年も翌日から北海道各地へ旅ランに出かけます。しばらく晴れの予報なので、まずは宗谷丘陵へ向かいます。
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