日本最北の駅、稚内。そこから2駅南の抜海まで走る、ローカル線の旅ランを行いました。
今年も北海道マラソンが終わってから北海道一周の旅ランを行います。週の初めは天気が悪く、道東は大雨の予報なのでまず道北に来ましたが、こちらもあまりすっきりしない空でした。
昨年、稚内では青空の
宗谷丘陵を走ったら感動するほどの風景を目にしました。もう一度宗谷丘陵を走るのも選択肢でしたが、曇りの空を走って昨年見た青空の思い出を上書きしたくなかったので、今年は稚内市街周辺を走ることにしました。
3年前と同様に
稚内半島一周を走るのも考えましたが、一方で北海道のローカル線に乗ってみたいと思っていたため、今年は趣向を変えて稚内駅から少し南の抜海
(ばっかい)駅まで走り、汽車で帰ることにしました。
稚内駅から夕日が丘までは3年前の稚内半島一周と同じ道を走り、そこからオロロンラインで抜海駅まで日本海沿いを走るルートです。
帰りの抜海駅に汽車が停まるのはなんと1日3本。走るのはこの時間に合わせなければいけません。本当は早朝から走って7時44分の始発で帰ろうとしていましたが、朝起きると雨。予報では午前中に止むようなので、2本目の11時39分を目指して走ります。
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乗るつもりだった始発を稚内駅で迎える。 |
稚内市街
稚内駅には道の駅が隣接しており、ここに車を停めて出発しました。風が強く寒かったので長袖にしました。昨日の札幌は夏の暑さだったのですが…。
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日本最北の駅、稚内には道の駅も隣接している。 |
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稚内駅を出発。道路標識にはロシア語。 |
最初は国道40号を旭川方面に進みます。稚内は4年連続訪れていますが、ここ2年は宗谷丘陵を走っていたため、稚内市街を走るのは3年ぶりです。
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国道40号。旭川まで250km。誰か走る人はいるだろうか? |
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稚内市街を走る。 |
稚内駅から3kmで交差点を右折し、道道106号、通称オロロンラインに入ります。
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道道106号を右折。 |
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オロロンラインで日本海へ。 |
宗谷湾から日本海に向かって稚内半島を縦断する道を走り、緩やかな登り坂が続きます。
3年前は息を切らしながら登った気がしますが、3年間で坂に慣れてきたため登りを気にせず走れました。
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緩やかな登り坂が続く。 |
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次第に家が少なくなっていく。 |
夕日が丘
市街地を抜けて森を登っていくと、すぐに峠に着きます。
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市街地を抜けて森を登っていく。 |
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すぐに頂上が見えてくる。 |
坂を登りきると夕日が丘パーキングに着きます。名前のとおり、晴れた日の夕方は日本海に沈む夕日と利尻岳を眺められますが、今回は曇っていて利尻岳は見えませんでした。
トイレがあるので小休止してから出発しました。
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峠を越えるとすぐ夕日が丘パーキング。 |
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稚内観光ガイドマップ。稚内周辺のおさらいに。 |
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日本海を眺めて休憩。利尻岳は見えない。 |
3年前はここからノシャップ岬方面に走って稚内半島を一周しましたが、夕日が丘からはその時のコースがよく見えます。旅先で走る旅ランにはまったのは、最果ての風景を眺めながら稚内半島を一周したのがきっかけだったな…と思い出しながら眺めました。
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ノシャップ岬方面の道を眺める。 |
休憩を終えたら、夕日が丘から日本海に向かって坂をいっきに下っていきます。晴れていれば、日本海と利尻岳を眺めながら気持ちよく走れる道ですが、今回は生憎の天気となってしまいました。
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日本海に向かっていっきに下る。 |
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今日は利尻岳は見えない。 |
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海が近づいてくる。 |
坂を下りきると、坂の下交差点に着きます。3年前は右折してノシャップ岬方面に走りましたが、今回は直進して天塩・抜海方面に走りました。
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坂の下交差点を直進。 |
オロロンラインは稚内から札幌まで日本海沿いに続く道で、特に稚内からサロベツ原野を経て天塩までの道は何もない風景が好きなので、稚内への移動にはいつも国道ではなくオロロンラインを通っています。今回はその道の一部を自分の足で走ります。
ちなみにここから次の町の天塩までは約60kmですが、途中に補給できるような場所はないので、走るのは相当厳しいと思われます。
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天塩まで61km。今回は抜海までの9kmを走る。 |
抜海原生花園
ここから抜海までは、民家が1軒もない森と原野の道を走ります。まさに広大な北海道を走っていることを実感できる道です。
稚内周辺は海抜0mから本州の高山帯のような植生になっており、最果ての雰囲気を実感できます。道沿いには海沿いの湿原があり、地図では抜海原生花園と書いてありますが、現地には駐車場などはなく、自分で走らなければ眺められない風景です。
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抜海まで何もない道を走る。 |
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道沿いは抜海原生花園。 |
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ここは国立公園の区域。 |
坂の下から抜海まで7kmほど、ほとんど変わり映えのしない風景を眺めながらのんびり走りました。出発時は風が強く寒かったですが、日本海側に来ると稚内半島が風を遮っているのか、走っていると長袖では暑かったです。
北海道を車で移動すると、よく「日本一周中」と書かれた紙をつけたチャリダーを目にしますが、「走って北海道一周中」とつけた紙を背中に貼ってこんな何もない原野を走っていたら、抜かす車は驚くだろうか?と考えてしまいました。
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遠くまでよく見える原野の道。 |
しばらく進み、抜海の集落が近づいてくると僅かに晴れ間も見えるようになってきました。振り返ると稚内半島の形がよく見えます。こうして見ると遠くから走ってきた感じがします。
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振り返ると稚内半島。少し青空も見えてきた。 |
次第に集落が見えてきます。抜海まで4kmの標識がありますが、これは海沿いの集落までの距離のようで、抜海駅方面は少し手前を曲がるため、実際はあと2kmほどです。
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遠くに抜海の集落が見えてくる。あと4km。 |
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湿原を流れる川を渡る。 |
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稚内市街からは14km。 |
抜海の集落まで2kmほどの地点で抜海駅方面への交差点があり、左折して駅に向かいます。
ちなみにあと9kmプラスすると隣の勇知駅に行けますが、万一汽車に乗り遅れたり運休していたりして往復することになると無補給で合計48km走ることになるため、リスクが大きいです。
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交差点を左折して抜海駅方面へ。 |
交差点から畑を抜けて内陸に進むと1kmほどで抜海駅に着きます。
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畑の中を抜けていく。 |
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交差点から1kmほどで抜海駅。 |
抜海駅
抜海駅は、駅前に数件の民家がある以外は何もない秘境に近い駅です。売店どころか自販機もありませんので、走った後の補給は稚内駅に戻ってからになります。
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稚内駅から15km走り、抜海駅に到着。 |
汽車の時間までは20分。ちょうどいい時間に着いたので、駅を散策してみました。
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ホーム。秘境駅の雰囲気を感じる。 |
駅の名所案内には、海岸線一帯の天然お花畑が書かれています。何もないただの原野ですが、駅でこれを見て観光に行く人はいるのでしょうか…。
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隣は勇知駅と南稚内駅。 |
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名所案内、天然お花畑。 |
駅舎はとても古く、中に入ると待合室では古い建物の匂いがしました。当然ながら無人駅です。
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待合室に入る。 |
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運賃表。切符売り場はない。 |
あらかじめ調べていましたが、時刻表を見ると下りは1日3本しかありません。もし11時39分を乗り過ごすと次は19時13分の終電まで待つか、走って帰らないといけません。
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抜海駅時刻表、上り4本、下り3本。 |
抜海駅ノートがあり、訪れた旅人に書き込まれていたため、私も足跡を残しました。
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抜海駅ノート。 |
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旅ランナーの足跡を残す。 |
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散策を終え、汽車の到着を待つ。 |
11時39分になると踏切の音が聞こえてきて、汽車がやってきました。乗り込んで稚内駅に向かって帰ります。ワンマン列車で、バスのような整理券方式です。
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定刻に汽車がやってきた。 |
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宗谷本線はワンマン列車。 |
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整理券方式。 |
車窓からは往路のような森と原野の風景を眺められますが、単線のため道路からの風景よりさらに自然を身近に感じることができます。
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車窓からは原野の風景。 |
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日本海も見える。晴れていれば利尻岳も見えたのだろうか。 |
抜海から稚内までの車窓風景を動画で掲載します。iOSだと再生できないため、PC等でご覧ください。
抜海駅を出て18分ほどで稚内駅に着きました。
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稚内駅に到着。 |
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日本最北端の駅。 |
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線路はここで北の終着点。 |
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走り終えたらやっぱりカツゲン。 |
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ログ。稚内半島を越えるところは高低差が激しい。 |
ランニング後
今年も宗谷岬からオホーツク海に沿って道東方面へ向かっていきました。
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宗谷岬。今年は天気が良くない。 |
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流氷館。走った直後でなければ寒い。 |
宗谷丘陵にも一応寄ってみましたが、やはり曇り空で風が強く、また
昨年のような晴れた日に走りに戻ってきたいと思いました。
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宗谷丘陵。来年以降、また晴れた日に走りに来たい。 |
空は不安定なようで、猿払を通過したときだけ青空になりました。ここがこの天気だとわかっていれば稚内ではなく猿払を走っていましたが…。
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猿払付近だけ青空。 |
夕食は紋別でカニチャーハンを食べようと思っていましたが、いつもの店が休み。代わりにザンギ定食が食べられる店はないか検索し、大山スキー場のロッジにある「番屋」で食べました。スキーの時期でなくても営業しているようです。またオホーツク方面での食事の選択肢が増えました。
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紋別の大山スキー場。 |
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食事処「番屋」は夏も営業中。 |
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ザンギ定食を食べる。 |
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ザンギ拡大。クリックでさらに拡大します。 |
食事をしながらテレビで天気予報を見ましたが、道央から十勝のあたりは特に台風の影響が強いようです。台風から離れたオホーツクで天候の回復を待つことにします。
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台風情報。宗谷も風が強かったが十勝方面はさらに暴風雨らしい。 |
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食後は上湧別温泉チューリップの湯 |
明日は
網走を走ります。
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