出場の抱負
別大マラソンは昨年に続いて2度目の出場になります。
昨年は初めての大舞台で自己ベストを更新する意気込みでエントリーしたのですが、直前で風邪をひいてしまい、なんとか出走はしたものの35kmで経験したことのないような脱力状態で走れなくなり、不完全燃焼に終わってしまいました。
必ず1年後にリベンジすると誓い、今シーズンは別大にピークを合わせるよう練習してきました。また、昨年のように風邪をひかないよう直前は予防も徹底しました。
2ヶ月前のつくばは2時間44分台で快走できたので、別大までの2か月でもう少し伸ばそうと思い、12月は715kmを走り込みました。
少なくとも自己ベスト更新を目標に、どこまで2時間40分へ迫れるか試すつもりでしたが…。
直前のコンディション
体調は万全な状態で別府まで来れました。
しかし、レース当日の別府・大分は最高気温18℃と季節外れの暑さとなる予報になってしまいました。
私は暑さが苦手なので、これまで15℃を超えたレースでは2時間50分どころか55分すら切れたことがなく、今回は記録を狙うのは無理そうです。
(直近の類似条件では佐倉が17℃でしたが、暑さで失速し2時間56分に終わりました…。)
せっかく別大のために1年かけて準備してきたのでやるせない気持ちになりましたが、どうせなら今回は新しいシューズに慣れるための練習に専念して、次の京都と佐倉へつなげていくことにしました。
ズームフライ
つくばではズームストリークで快走できたので、今回も同じシューズで走るつもりでした。
しかし、今までの延長だけでは2時間40分を切ることは厳しいので、ズームフライやヴェイパーフライで走ったらどうなるのか気になっていたところ、1週間前に勝田マラソンの出店でズームフライフライニットが1割引きで売られていたため、つい買ってしまいました。
ズームフライは慣れるまで独特の感覚が合うかわからないと聞いていたので、安定のズームストリークか、博打のズームフライか直前まで悩んでいたのですが、どうせ今回は気温が高く記録は狙えないので、それならばズームフライの試し履きをして、京都と佐倉で投入できるか判断することにしました。
一応ストリークとフライを両方持ってきましたが、当日になっても予報気温は下がる気配がないので、今回はいきなりの実戦投入でズームフライにとにかく慣れることに専念します。
一応両方持ってきたものの、ズームフライ投入を決断。 |
レース当日
別大は昼12時スタートなので朝はゆっくり過ごすことができます。
昨年出走はしたおかげで勝手がわかっており、記録が狙えなくなったことで緊張していないので、目覚ましをかけず目が覚めるまで寝て、朝風呂に入り吉野家で朝食をとってから、路線バスでのんびり会場入りしました。
のんびり会場入り。 |
1年ぶりのスタート地点。 |
スタートまではサブ3以上の控室「おさる館」で待機します。カテゴリー2・3は2階、カテゴリー1は3階が控室になります。
異常な寒さだった昨年よりも外でアップしている人が多いのか、2階は昨年より少し空いていましたが、それでも混雑。レース前を快適に過ごしたければカテ1資格の2時間30分をクリアして別大カーストを這い上がるしかなさそうです。
自衛隊がドラゴンボールZの曲を演奏しているのでテンションが上がってきました。
サブ3以上の控室、おさる館。 |
地場の餅でカーボローディング。 |
別大のスタート位置は持ちタイム順に細かく決められており早く並んでも意味がないので、スタート30分前になってからゆっくり荷物を預けてアップ開始。
スタート時間が近づき荷物預け。 |
昨年は周りも同じ持ちタイムのランナーばかりなのでスムーズにスタートできました。
しかし、ここ2年半は不調が続いていたため、直近2年の持ちタイムは2時間48分台に落ちて昨年よりも整列が後ろになりました。
エントリー締切の2日後につくばで44分台を出したため周りのランナーのペースは自分より遅くなりましたが、今日の気温ではキロ4分も維持できるか怪しいため、序盤は周りに合わせることにしました。
プレラインアップの整列に向かう。日差しが出てきて暑い。 |
プレラインアップからスタート地点に移動していきます。
テレビの向こうでは招待選手の紹介などがされていると思いますが、昨年同様、現地では主催者挨拶などのセレモニー的なものは一切ない硬派なスタートになります。
もともと曇りのち雨の予報が出ていましたが、整列していると日差しがでてきて、暑熱純化が全くできていない状態では体感的に北海道マラソンと同じくらいの暑さに感じました。
コースは昨年同様、うみたまごをスタートして別府亀川まで往復し、後半は大分市街を折り返して大分市営陸上競技場でゴールになります。
昨年は西風で追い風に乗れる区間が長かったですが、今年は南風なので恩恵は受けられず、さらに南からは温かく湿った空気が流れるので、昨年よりもかなり厳しいコンディションになりました。
スタート前は別大中継のテーマ曲「To Glory」をイメージしてテンションを上げます…!
レース展開
0km~5km 18:53 (3:47/km)
1km 3:51
2km 3:42
3km 3:46
4km 3:48
5km 3:47
昨年同様、周りは2時間48分台の持ちタイムばかりなので渋滞とはいえ4:00/kmで進んでいきますが、やはり3:54/kmでフルを走った後では遅く感じてしまい、無理に抜かすと体力を使うので、500mくらい過ぎて隙間ができるのを待ってからペースアップしました。
片側3車線を広く使えますが、しばらくするとほとんどのランナーは左車線を走るようになり、右から抜かしやすくなります。
5km~10km 19:04 (3:49/km)
6km 3:47
7km 3:45
8km 3:52
9km 3:51
10km 3:49
序盤はフル2時間44分台の適正ペースの集団に追いつこうと思って抜かしていきましたが、ズームフライのおかげか力を抜いて走っても3:50/kmを切れており、呼吸も楽なのでそのままのペースで少しずつ抜かしていきます。
6kmで最初の給水所がありますが、以降はほぼ2km毎に給水所があります。冬の開催で4000人規模の大会の割に数が多く、今年の暑いコンディションではとても助かります。自分の場合は暑いといつ突然崩れるかわからないため、序盤から給水所のたびに水を頭からかぶって慎重に体を冷やしていきました。
10km~15km 18:51 (3:46/km)
11km 3:42
12km 3:48
13km 3:49
14km 3:49
15km 3:43
亀川で折り返すと正面から日差しと向かい風を受けるようになりますが、海風のおかげか気温の割には思ったほど暑さの影響を感じず、そのままのペースで走っていきました。
適正ペースの集団に追いついたようで周りのランナーと同じペースで走るようになり、オーバーペースで失速したランナーを少しずつ抜かす展開になりました。
14kmの給水所で粉ヴァーム投入。
15km~20km 18:57 (3:47/km)
16km 3:47
17km 3:48
18km 3:48
19km 3:47
20km 3:46
16kmの給水所でショッツ投入。
17km過ぎで別府市街は終わり海沿いの道に入ります。昨年はバンクの傾斜が気になりましたが、今年は快調に走れているためかあまり気にならず、イーブンペースで淡々と刻んでいきました。
20km~25km 18:55 (3:47/km)
21km 3:44
22km 3:43
23km 3:49
24km 3:50
25km 3:49
ハーフ通過は1時間19分50秒。
フル用のペース配分で力を抜いて走っているにもかかわらず、これまでハーフを必死に走っても一度も切れなかった80分があっさりと切れてしまいました。
本当にこれが自分の走りなのか信じられない感覚で、ズームフライ初投入でもこれだけの恩恵を発揮してくれたことに驚きます。
自分は後半のほうが得意なので、このまま走れば2時間40分切りも見えてきそうですが、つくばではハーフからペースを上げたら30kmで失速したので、そのままのペースを維持しながら走りました。
25km~30km 19:27 (3:53/km)
26km 3:53
27km 3:57
28km 3:51
29km 3:49
30km 3:57
24kmでシーサイドコースは終わり大分市街に入りますが、途端に風が生暖かく変わりました。ここまでは海風のおかげか気温の割に心地よく走れましたが、この先は市街地で暖められた風を受けることになるようです。
そのためかペースが少し落ち始め、2時間40分を切るには再びペースを上げる必要がありますが、それほどの余力はないようなので、前半の貯金で逃げ切って自己ベストの更新を目標に切り替えました。
昨年も28kmから不調になってきたので、今シーズンはスタミナを鍛えて北海道やアクアラインでは最後まで快走できるようになり克服したと思っていたのですが、今年もなぜか大分市街は鬼門だったようです。
弁天大橋のアップダウンは体力を温存するためにペースダウンしながら進みます。
26kmで粉ヴァーム、28kmでショッツ投入。
30km~35km 20:06 (4:01/km)
31km 3:56
32km 4:03
33km 3:59
34km 4:01
35km 4:07
臨海産業道路の直線を走ります。ずっと南からの横風を受けて気になりました。
ペースがさらに落ちてきてもう2時間40分は無理なようですが、残りはキロ4分でも自己ベストは更新できるので、なんとかゴールまでは維持したいところです。
30km通過。ペースがどんどん落ちてくる。 |
給水所で水をかぶると一時的に体力とペースは回復しますが、500mも走ると涼しさが失われてまた失速してしまいました。
35km~40km 20:45 (4:09/km)
36km 4:04
37km 4:09
38km 4:11
39km 4:10
40km 4:11
三海橋を超えて35kmで折り返し、大分市営陸上競技場へ向かいます。追い風を期待しましたが、やはり横風だったようで折り返しても楽になりませんでした。
昨年は35kmで全身が脱力して走れなくなったトラウマがありましたが、今年はなんとか通過できました。しかし体力が残り少なくなっており、ペースはキロ4分すら維持できず更に落ちてしまっています。
37km過ぎは一時的に南に向かうため、向かい風が堪えました。
残りの距離をカウントダウンしながら走っていると、39kmで突然全身の力が抜けてしまい、昨年と同様に、すぐにでも歩きたい、歩かなければ危険ではと思うような状態になりました。
せっかくの自己ベスト更新を目前にして、また今年もここで諦めなければならないのか…と覚悟しましたが、ここまで来たなら1秒でも自己ベストを更新してやろうと奮い立たせ、感覚が薄れる中、なんとか走り続けました。
つくばのようにあっさり自己ベストでゴールするのもいいですが、昨年と同じような辛さに追い込まれたことで、これを乗り越えると本当の意味で昨年のリベンジを果たすことができると気持ちを切り替えました。
40km~42.195km 9:00 (4:06/km)
41km 4:13
42km 4:02
42.195km 0:44
昨年は40km以降は意識が朦朧としていてほとんど記憶がありませんでしたが、今年も昨年ほどではないものの、この区間のことはあまり思い出せません。
ただ、昨年はゴールまで自力で帰ることが目標でしたが、今年は何としても自己ベストの2時間44分14秒までにゴールすることを目標に、落ちるペースを必死で抑えながらゴールを目指しました。
残り1kmの看板でタイムを確認すると2時間40分ちょうど。残りを4分14秒で走れば自己ベストに届きますが、直近は4:10/km以上まで落ちているため、少しでも気を抜くと超えてしまいそうです。
つくばの40km過ぎは自己ベストが確定してウイニングランの気分でしたが、今回はつくばの自分に追いつかれないようディフェンディングチャンピオンのつもりで必死に必死に逃げました。
普段の残り1kmのようなラストスパートをかける余力はありませんが、なんとか維持できそうな範囲でゆるくスパート開始。
陸上競技場に入って残り400mも普段のようなスパートをかけることはできませんでしたが、できる範囲のペースアップをしてゴールに駆け込みました。
グロスタイム 2:44:06
ネットタイム 2:43:57 (3:53/km)【PB】
前半ハーフ 1:19:50 (3:47/km)【PB】
後半ハーフ 1:24:07 (3:59/km)
25kmまで快調だったのに終盤は激落ち。 |
レースを振り返って
これまで15℃を超えるとサブ3がやっとだったため今回も記録は狙わないつもりでしたが、結果としてフルとハーフの自己ベストを同時に更新できました。
前半は抑えた感覚で走ってもハーフの自己ベストを1分11秒更新し、この調子なら2時間40分も切れそうと思いましたが、25km以降は急に調子が悪くなり終盤は大失速してしまいました。
この悔しさのせいで、自己ベストを更新した実感と嬉しさがあまり湧きません。
失速の原因を考えてみましたが、現時点ではどれなのか断定できませんでした。言い訳はあまりしたくありませんが、次で快走するために改善点として洗い出します。
- ズームフライに慣れていないことによる疲労
- 最高18℃の暑さで体力を奪われた
- 普段のフル前夜はパスタなのに昨夜はとり天
- 前半は抑えたつもりでも別大の高揚感で無意識にオーバーペース
- 潜伏期間のインフルエンザが暴れた(追記…)
2週間後の京都は冬の盆地で安定して涼しいはずなので、そこで様子を見て佐倉に活かしていきたいと思います。
ズームフライ所感
走り始めはフニャフニャして力を入れにくくスピードを出せていないと思いましたが、力を入れずに走っても3:50/kmを切れていて驚きました。
これまでハーフのレースをどんなに必死で走っても切れなかった80分をフルであっさり切れたので、ハーフまでであればデメリットは高いこと以外に見当たりません。
しかし、25kmで急に体力がなくなってしまい、これが暑さのせいなのか、あるいはズームフライ特有の疲れやすさなのか今回は判断できませんでした。
前半は力を入れずにスピードが出せますが、体力が尽きてしまうとさすがにスピードはガタ落ちとなってしまい、勝手に走ってくれるほど魔法のシューズではないようです。
筋肉痛はほとんどありませんが、フォアフット走法を強制されるためか足の裏が痛くなりました。
また、横方向の力に弱いので、180度折り返しは角速度を落とさないと靴が脱げそうになります。
初めて履いてもいきなり自己ベストを更新してくれたので、2週間後の京都でどのようになるかまた試したいと思います。
勝田で買ってぶっつけ本番で投入、いきなり自己ベスト。 |
レース後
ゴール後はあまりの辛さに「ぐおーっ」「ぬおーっ」と叫びまくりました。
急に立ち止まると危ないと思い、ゆっくり歩きながらカテ2の控室へ移動。昨年はカテ2のランナーはほとんど帰った後でしたが、今年は逆にまだランナーが少ないうちに戻ってこれました。
着替えてから大分市営陸上競技場を後にし、今年もアクティブレストに大分駅まで歩いて移動。
大分市営陸上競技場。来年も帰ってくるかは、まだわからない。 |
最後の陸上競技場。1年間ここのラストをイメージしてきた。 |
今年も大分駅まで歩いて移動。 |
雨の予報どころか日差しが暑かった。 |
日豊本線で別府に移動し、打ち上げをしてから宿に戻りました。
大分駅から日豊本線で帰る。 |
別府駅。 |
別府で打ち上げ。 |
今日もとり天。 |
ひとまず昨年のリベンジは果たしましたが、今年も終盤で大失速した悔しさが残りました。リベンジのために来年も別大を走りに来るのかは、これから気持ちを整理して考えます。
今回の装備
- シューズ: Nike Zoom Fly Flyknit
- サングラス: Oakley Radarlock - Sapphire Iridium
- 時計: GARMIN ForeAthlete 935
- shotz コーラバニラ 2本
- ヴァーム パウダー 2本
- スパイベルト
0 件のコメント:
コメントを投稿